東京・新宿に、都内最大の閻魔像
江戸六地蔵のひとつである地蔵菩薩像がある太宗寺(たいそうじ)

さらに、塩をかけて祈願する塩かけ地蔵
穏やかな表情が特徴の三日月不動も見どころ。

新宿二丁目は江戸時代、内藤新宿と呼ばれた宿場町で
内藤新宿の由来となった高遠藩内藤家の菩提寺。

新宿のイメージは
ネオン輝く繁華街や高層ビル群を思い浮かべる方が多いかもしれません。
そんな都会の中でも、静かに歴史を感じられる太宗寺です。


太宗寺

  • 太宗寺とは?
太宗寺は、江戸時代初期の寛永年間(1624~1644年)に
内藤新宿の開発を進めた内藤家によって建立されたお寺。
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  • 都内最大の閻魔像
太宗寺の最大の見どころのひとつが、「閻魔大王像」です。
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※毎年1月と7月の15日・16日に閻魔殿の御開帳を実施
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この像は、高さ5.5メートルもあり
都内最大の閻魔像として知られています。

堂内に安置されており、その迫力ある表情は
一度見たら忘れられないインパクトがあります。
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※普段の金網越しで堂内は暗く
ボタンを押すと証明が1分間点灯
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閻魔大王は仏教において
死後の世界で亡者の生前の行いを裁く存在とされています。
そのため、古くから人々は閻魔大王に手を合わせ
悪事を反省し、善行を積むことを願ってきました。
太宗寺の閻魔像も、多くの参拝者が訪れる理由のひとつとなっています。

閻魔殿には「奪衣婆(だつえば)」の像も安置されています。
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奪衣婆とは、仏教の冥界思想に登場する老婆の鬼で
亡者が三途の川を渡る際に、その衣服を剥ぎ取る役目を担う存在とされています。
閻魔大王と並んで死後の世界に関係する重要な存在であり
古くから信仰を集めてきました。

太宗寺の奪衣婆像は、閻魔堂の近くに安置されており
厄除けや罪業消滅を願う人々が手を合わせます。

また、衣服を剥ぎ取るという役割から
「悪い習慣を断ち切る」「新しい自分に生まれ変わる」といった願いを込めて
参拝する人も多いといわれています。
  • 江戸六地蔵のひとつ
太宗寺には、もうひとつ重要な見どころがあります。
それが「江戸六地蔵」のひとつに数えられる地蔵菩薩像です。
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江戸六地蔵とは
江戸時代に庶民の往来が多かった街道沿いに設置された6体の地蔵菩薩のことで
旅の安全や病気平癒を祈願するために造られました。

太宗寺の地蔵菩薩像は
享保9年(1724年)に建立された歴史あるもので
高さ2.7メートルの立派な姿をしています。

新宿という現代的な街の中で
江戸時代の庶民の信仰を感じられる貴重な文化財です。

※江戸六地蔵
第一番:品川寺(旧東海道)
第二番:東禅寺(奥州街道)
第三番:太宗寺(甲州街道)
第四番:真性寺(旧中山道)
第五番:霊巌寺(水戸街道)
第六番:永代寺(千葉街道)
*永代寺には現存していません。
  • 塩かけ地蔵
太宗寺には「塩かけ地蔵」と呼ばれる珍しい地蔵尊もあります。
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このお地蔵さまは、体の悪い部分に塩をかけて祈ると
病気が治るといわれています。
特に、長年の悩みや痛みを和らげるご利益があるとされ
訪れる人々が願いを込めて塩をかけるため
全身が塩で覆われた独特な姿をしています。
  • 三日月不動
太宗寺には「三日月不動」と呼ばれる不動明王像も安置されています。
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右手に三鈷剣、左手に羂索を持ち
石製の台座上に立つ銅造の不動明王像で
額の上部に銀製の三日月を戴くため、通称三日月不動と呼ばれています。
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不動明王は、邪悪なものを払い
災難を取り除く力を持つとされる仏であり
特に厄除けや開運を願う人々に信仰されています。

太宗寺の境内に足を運んだ際には
この三日月不動にも手を合わせ、心を落ち着けてみてはいかがでしょうか。

場所(アクセス)

JR・東京メトロ「新宿駅」から徒歩15~20分ほど
または東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」から徒歩5分ほどの場所にあります。

都会の中心にありながら、境内は静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。






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